氏名: 飛田 浩貴(トビタ ヒロキ) 情報科教員歴7年目
学歴と職歴
茨城県土浦日本大学高等学校 教諭(令和2年4月〜 現在に至る)
茨城県土浦日本大学高等学校 常勤講師(平成30年4月〜 令和2年3月)
長岡技術科学大学 情報・経営システム工学専攻 工学修士(eポートフォリオと情報教育)
長岡技術科学大学 経営情報システム工学課程 工学学士
茨城工業高等専門学校 電子情報工学科
SNS
Youtubeで授業動画を配信しています
2020年4月、新型コロナウイルス感染症対策のため,多くの学校が臨時休校となりました。そこで、自宅で長い時間を過ごす生徒達のために、オンライン自宅学習支援を目的としたWebサイトを公開することにしました。
本サイトは、私の活動の取り組みや、共通教科情報の教材をe-portfolio(ポートフォリオ)という形で掲載しています。私立高校における共通教科情報科の授業で活用することを前提として作成したものです。動画教材やスライド、小テスト、課題を組み合わせて、生徒がすぐに予習・復習にも活用できるよう準備をしております。スライド等にはローカルな地名が含まれていることがありますので、適宜、改変していただいてからのご使用をお勧めいたします。
2020年度から年次進行実施予定の高等学校学習指導要領において,情報活用能力は「教科等の枠を超えた全ての学習の基盤となる資質・能力」として位置づけられ,言語能力の育成などと同様にその重要性が明示されました。そして,情報活用能力を構成する 11 項目が, 従来の目標である 3 観点を基盤とし,資質・能力の 3 つの柱(知識・技能,思考・判断・ 表現等,学びに向かう力・人間性等) に沿って整理されました。
この分類された11項目は,学習対象に対して「知っている」「分かる」のみならず,実際の課題解決の文脈において学習対象を「使える」といった高次の能力を含むものです.ゆえに,このような高次の能力を育成するには,知識伝達だけではなく学習者の事前知識から事後知識への質的な変化を伴う社会的構成主義に基づいた学習が求められています.
この情報活用能力を育成する教科として,高等学校では共通教科情報科が設置されています。
近年,教育パラダイムは,行動主義から認知主義,構成主義,社会構成主義へと変遷し,学習活動や課題,評価方法などが現実的なものではなくてはならないという「真正性(authenticity)」が強調されるようになりました[1]。真正な学習とは「ありのままの学習(learning in wild)」を意味し,現実的な課題(真正な課題)と,現実的な文脈をもった(真正な文脈)のもと,現実に即した活動(真正な活動)によって進められる学習者による自律的な学習です[2].この真正な学習において,「学習」とは学習者が事前に持っている概念を大きく変化させる過程であり,変化が個人のみで行われる場合を狭義の構成主義,変化が社会的な営みを通して行われる場合を社会構成主義と解釈しています.
社会構成主義とは,ロシアの心理学者ヴィゴツキー(L.S.Vygotsky)らによって展開された,「文化・歴史学派(ヴィゴツキー学派)」を系譜に持つものです.ヴィゴツキーは,「学習は学習者が単独で学習するのではなく,教師や仲間の援助を受ける形で,学習が日常的概念と科学的概念の接続を果たし行われる」と考え,他者の役割を大きく取り入れています.そして,教師や仲間の援助を受け入れることで到達することができる能力の領域を最近接発達領域(Zone of proximal development : ZPD)と呼び,その能力の差異が学習者の能力を規定しているという新しい学力観を作り上げました[3].この学力観では,初心者は,熟達者の援助を受け入れ,問題解決や対象への理解を支援してもらうことにより,単なる知識のみでなく,理解の仕方,注意・焦点化,内省,態度,動機,情熱などの高次のスキルを獲得できるとされています[4]。
本授業では、社会構成主義の学習理論を背景に、授業を展開しております。
Fig.1 ヴィゴツキーモデル